JPYCとは、日本円と1:1で価値が連動する国産ステーブルコインです。ビットコインのように価格が上下する投資商品ではなく、決済・送金・Web3サービスの利用を目的としたデジタルな日本円として作られています。
「仮想通貨の一種では?」と思う方も少なくありません。ただ実際には、JPYCは資金決済法の「電子決済手段」に区分され、暗号資産とは法的にまったく異なる位置づけです。2025年10月27日にJPYC株式会社が正式に発行を開始した、日本初の電子決済手段型ステーブルコインです。
また、2025年6月以前に書かれた記事と現在の情報が混在しており、読者が混乱しやすい状況が続いています。旧JPYC Prepaid(前払式支払手段)と現行JPYC(電子決済手段)はまったくの別物であるため、情報源の更新日を必ず確認してください。
この記事では、JPYCの仕組み・使い方・メリット・デメリット・税金・将来性まで、2026年4月時点の最新情報をもとに解説。JPYC EXでの発行手順から償還方法・DEXの活用まで、実際に使い始めるために必要な情報をすべてまとめています。
- JPYCとは?日本円と1:1で連動する国産ステーブルコイン
- JPYCは仮想通貨ではない|電子決済手段としての法的位置づけ
- 旧JPYC PrepaidとJPYC(現行)の違い
- JPYCと他のお金の違いを4つの軸で比較
- JPYC ステーブルコインの仕組みと特徴
- JPYCのメリット
- JPYCのデメリット・リスク
- JPYC EXとは?発行・償還できる公式プラットフォーム
- JPYC公式サイト・JPYC EXへの正しいアクセス方法
- JPYCを使う前に準備すること
- JPYCの発行方法|JPYC EXでの買い方を5ステップで解説
- JPYCの償還方法|日本円に戻す手順
- JPYCが使える取引所10選|DEX・CEXを徹底比較
- JPYCの使い道・どこで使える?7つの活用シーン
- JPYCで儲かる?投資視点で見る将来性と金利の現実
- JPYCのチャート・価格推移を確認する方法
- JPYCの将来性|銀行連携・Web3で広がる経済圏
- JPYCの税金・確定申告について
- JPYCを使う前にやってはいけないこと
- JPYCが向いている人・まだ使わなくていい人
- 法人がJPYCを導入する方法|企業決済への活用
- JPYCに関するよくある質問
- まとめ|JPYCは投資ではなく「使うため」のステーブルコイン
JPYCとは?日本円と1:1で連動する国産ステーブルコイン
JPYCとは、日本円と1:1で価値が連動する仕組みを持つ国産のステーブルコインです。1JPYCは常に1円の価値を持ち、ブロックチェーン上でデジタルな日本円として流通します。2025年10月27日にJPYC株式会社が発行を開始した、日本初の電子決済手段型ステーブルコインです。
ビットコインやイーサリアムのように価格が大きく上下するものではありません。JPYCは価格の安定を維持しながら、送金・決済・Web3サービスでの利用を実現するためのツールです。「投資で増やす」ためのものではなく、「使うため」のデジタル通貨という点をまず押さえてください。
JPYCの読み方と「日本円ステーブルコイン」の意味
JPYCの読み方は「ジェーピーワイシー」です。JPY(Japanese Yen、日本円)と Coin を組み合わせた名称で、日本円に連動するデジタルコインという意味を持ちます。
ステーブルコインとは、価格を一定に保つ仕組みのデジタル通貨の総称です。ビットコインのように自由な価格変動があるのではなく、特定の法定通貨(ドルや円など)と価値を連動させることで、価格の安定を実現します。
世界ではUSDT(米ドル連動)やUSDC(米ドル連動)のステーブルコインが広く普及しています。JPYCはその日本円版にあたり、2025年10月に国内で初めて電子決済手段として正式に認定された、日本円ステーブルコインです。
1JPYC=1円の価値が保たれる仕組み
JPYCは「フルリザーブ型」のステーブルコインです。発行残高と同額の日本円預金・日本国債で100%裏付けされており、JPYC EX(公式発行・償還プラットフォーム)を通じて1:1の比率で日本円との交換が保証されています。
仕組みは次の3ステップで成り立っています。まず、JPYC EXに日本円を入金すると、同額のJPYCが発行されます。次に、発行されたJPYCは自分のウォレット(MetaMask等)で保管・送金に使えます。最後に、不要になったJPYCをJPYC EXに返却すると、同額の日本円が口座に振り込まれます。
裏付け資産については、将来的に「日本国債8割・信託預金2割」の構成を目指していると岡部代表が公表しています(出典:JPYC株式会社コーポレートサイト)。第三者による定期的なアテステーション(検証報告)も実施されており、透明性の確保に取り組んでいます。
JPYCは値上がりを狙う投資商品ではない
JPYCで「値上がり益」は基本的に発生しません。1JPYC=1円で固定されているため、長期保有しても評価額は変わらず、ビットコインのように「安く買って高く売る」使い方は想定されていない仕組みです。
JPYCでできることとできないことを整理すると、次のとおりです。
- できること:送金・決済・Web3サービスの利用・DeFiによる運用(金利取得)
- できないこと:価格上昇による売却益の獲得・ビットコインのような投機的取引
ただし、DeFiプロトコルにJPYCを預けてレンディング利回りを得る方法は存在します。「儲かるか」という疑問への詳細な回答は、後述の「JPYCで儲かる?投資視点で見る将来性と金利の現実」で解説します。
JPYC株式会社(旧JPYコイン)が発行
JPYCを発行しているのはJPYC株式会社(東京都千代田区、代表取締役:岡部典孝)です。社名はもともと「JPYコイン株式会社」でしたが、2024年に現在の「JPYC株式会社」へ変更されています。
2025年8月18日、金融庁より資金移動業者として登録(関東財務局長第00099号)を受けました。これにより、JPYCの発行・償還が法的に裏付けられたサービスとして提供されています。
資金面では、シリーズBで累計46億円の調達を完了しています(1stクローズ17.8億円、2ndクローズ28億円)。住友生命・SBIホールディングス・メタプラネット・北洋銀行・アステリア・NCBベンチャーキャピタルなどが出資しており、「怪しい会社ではないか」という不安が生まれる状況ではありません。会社概要と登録情報は金融庁「資金移動業者登録一覧」でも確認できます。
JPYCは仮想通貨ではない|電子決済手段としての法的位置づけ

「JPYCは仮想通貨の一種だ」という誤解は、2026年4月現在も広く見られます。正確には、JPYCは資金決済法上の「電子決済手段」に区分され、ビットコイン等の「暗号資産」とは法的にまったく異なるカテゴリです。
この違いは実務上も大きな意味を持ちます。暗号資産は売却・交換のたびに雑所得の計算が必要ですが、電子決済手段であるJPYCは日本円と1:1で交換する取引として会計処理できます。税務・法務・リスク管理のいずれにおいても、法的区分を正しく把握しておく必要があります。
資金決済法に基づく「電子決済手段」
2023年6月施行の改正資金決済法によって「電子決済手段」という新しい区分が設けられました。これはステーブルコインを国内で安全に流通させるための法的枠組みで、JPYCはこのカテゴリに該当する国内初の発行事業者です。
電子決済手段が成立するための主な要件は3つです。①法定通貨と1:1で連動していること、②ユーザーの請求により同額の法定通貨に償還できること、③取引業者として金融庁への登録が完了していること。JPYCはこの3要件をすべて満たしています。
詳細は金融庁公式サイトの「電子決済手段等取引業者の登録について」で確認できます。
ビットコインなど暗号資産との4つの違い
JPYCと暗号資産(ビットコイン等)の違いは4点に整理できます。
- 価格変動の有無:ビットコインは1日10%以上の変動が起きることもある。JPYCは1円固定。
- 法的区分:ビットコインは「暗号資産」、JPYCは「電子決済手段」。資金決済法上の根拠条文が異なる。
- 発行体の有無:ビットコインには中央の発行体が存在しない。JPYCはJPYC株式会社が発行する。
- 会計・税務処理:暗号資産の売却益は雑所得(最大55%課税)。JPYCは電子決済手段として現金同等処理が原則。
「暗号資産に興味はあるがリスクが怖い」という方にとって、JPYCは値動きなしでブロックチェーン取引を体験できる入口としても機能します。
電子マネー・銀行送金との違いを比較表で確認
JPYCは電子マネーや銀行送金とも異なります。以下の比較表で整理してください。
| 比較項目 | JPYC | PayPay・Suica等 (電子マネー) | 銀行送金 | ビットコイン |
|---|---|---|---|---|
| 価格安定性 | ◎ 1円固定 | ◎ 1円固定 | ◎ 1円固定 | ✕ 変動大 |
| ブロックチェーン上で動作 | ◎ | ✕ | ✕ | ◎ |
| 24時間365日稼働 | ◎ | ◎ | △ 平日昼間中心 | ◎ |
| 国際送金 | ◎ 低コスト | ✕ | △ 高コスト | ◎ |
| 手数料水準 | ◎ 数円〜 | ◎ 無料〜 | △ 110〜880円 | △ 変動 |
| 日本円への換金 | ◎ JPYC EXで1:1 | △ 事業者依存 | ◎ | △ 取引所必要 |
| 発行体 | JPYC株式会社 | 各社 | 銀行 | なし |
| 税務扱い | 現金同等処理 | 現金同等処理 | 現金同等処理 | 雑所得 |
JPYCが電子マネーとはっきり異なるのは「自分のウォレットから任意の相手のウォレットへ自由に送金できる」点です。PayPayは加盟店への支払いが中心ですが、JPYCはブロックチェーン上で発行体を経由せずに送金できます。
資金移動業者として金融庁に登録済み
JPYC株式会社は、2025年8月18日に金融庁(関東財務局)より資金移動業者として登録されています(登録番号:関東財務局長第00099号)。金融庁「資金移動業者登録一覧」で登録状況を確認できます。
資金移動業者とは、銀行以外で送金・為替取引を行うことができる事業者の登録区分です。登録事業者には主に3つの義務が課されています。
- 利用者保護のための供託金(履行保証)の供出義務
- 業務運営の健全性・適切性の維持義務
- 利用者への情報開示・苦情処理体制の整備義務
これらの義務を負ったうえで運営されているため、JPYCは法的に裏付けられた安全な仕組みのもとで利用できます。
旧JPYC PrepaidとJPYC(現行)の違い

「JPYCについて調べたが、記事によって書いてある内容がまったく違う」という状況に陥った場合、原因はほぼ必ず旧JPYC Prepaidと現行JPYCの混在です。この2つはまったくの別物であり、法的区分・償還可否・用途のすべてが異なります。
結論を先に示します。旧JPYC Prepaidは2025年6月1日に新規発行を終了した前払式支払手段(商品券と同じ区分)です。現行JPYCは2025年10月27日に発行開始した電子決済手段で、JPYC EXを通じて日本円に償還できます。
旧JPYC Prepaidは「前払式支払手段」だった
2021年からJPYC株式会社が発行していた旧JPYCは、資金決済法上の「自家型前払式支払手段」に区分されていました。前払式支払手段は商品券やプリペイドカードと同じ区分で、日本円への払い戻し(償還)が原則としてできないのが最大の特徴です。
主な特性は3点です。
- 日本円への償還が原則不可
- 二次流通市場では需給バランスによって1円を上下する価格変動があった
- CoinMarketCap等で「JPYC Prepaid」としてチャートが現在も表示されている
旧JPYC Prepaidは2025年6月1日に新規発行を終了しています。既存の保有分については後述のh3で説明します。
現行JPYCは「電子決済手段」で日本円に償還できる
現行JPYCは資金決済法の「電子決済手段」として、JPYC EXを通じて1:1で日本円に償還できます。裏付け資産は日本円預金と日本国債で100%保全されており、フルリザーブ型の仕組みです。
現行JPYCの特性をまとめると次の3点です。
- JPYC EXでいつでも1:1で日本円に償還可能
- 日本円預金・国債による100%フルリザーブ保全
- 資金決済法「電子決済手段」として金融庁登録済み
償還が確実に行える仕組みであるため、二次流通DEXでも基本的に1円前後の価格を維持しやすい構造になっています。
古い記事の情報を信じてはいけない理由
2025年6月以前の記事は「JPYCは前払式支払手段で日本円に戻せない」という前提で書かれている可能性が高く、現行JPYCの説明として読むと誤認につながります。記事の更新日が2025年10月以降かどうかを必ず確認してください。
大手解説サイトでも旧版と新版の記述が混在している状況が続いています。信頼できる情報源は次の3つです。
保有しているJPYC Prepaidの今後の扱い
2025年6月1日以降、JPYC Prepaidの新規発行は終了しています。既存保有分は引き続き対応サービスで使用できますが、現行JPYCに自動的に変換される仕組みはありません。保有者はJPYC PrepaidとJPYCを別物として管理する必要があります。
今後の詳細な対応については、JPYC公式サイトのお知らせページと問い合わせ窓口で最新情報を確認してください。確認すべき事項は次の3点です。
- 現在利用中のサービスでJPYC Prepaidが引き続き使用可能かどうか
- JPYC Prepaidの今後の廃止スケジュールの有無
- DEXでJPYC Prepaidを売却する場合の流動性とペッグ乖離状況
JPYCと他のお金の違いを4つの軸で比較

JPYCは既存の決済手段と何が違い、どんな場面で使うべきかを4軸で整理します。「結局JPYCは電子マネーと同じでは?」という疑問も、比較を通じて解消できます。JPYCの強みは特定の用途に限定されており、すべての場面で優れているわけではありません。用途に応じた正確な判断基準を示します。
JPYC vs ビットコイン|値動きと用途の違い
JPYCとビットコインは「どちらもブロックチェーン上で動く」という共通点があるものの、用途はまったく異なります。ビットコインは価値の上昇を期待して保有・売買する投資型資産、JPYCは決済・送金・Web3サービス利用に特化した実用ツールです。
| 比較項目 | JPYC | ビットコイン(BTC) |
|---|---|---|
| 主な用途 | 決済・送金・Web3利用 | 資産保有・投資 |
| 価格変動 | 1円固定 | 1日10%超の変動もあり |
| 税務処理 | 電子決済手段(現金同等) | 雑所得(最大55%課税) |
| 発行体 | JPYC株式会社 | なし(分散型) |
暗号資産投資のリスクを負いたくないが、ブロックチェーン上での送金や取引を試してみたい方には、JPYCが現実的な入口になります。
JPYC vs USDT/USDC|日本円建てと米ドル建ての違い
USDT(Tether)・USDC(Circle)は米ドル連動のステーブルコインです。JPYCとの最大の違いは、通貨ペッグ先にあります。日本円ベースで生活する方にとって、USDTやUSDCは為替リスクが常に伴います。
| 比較項目 | JPYC | USDT | USDC |
|---|---|---|---|
| 連動通貨 | 日本円 | 米ドル | 米ドル |
| 国内正規取扱 | JPYC EX | なし | SBI VCトレード |
| 発行体 | JPYC株式会社 | Tether社 | Circle社 |
| 為替リスク(円建て) | なし | あり | あり |
国内での日本円取引にはJPYC、海外サービスへのアクセスや海外送金にはUSDC等という使い分けが現実的です。
JPYC vs 電子マネー|PayPay・Suicaとの違い
電子マネーとJPYCの根本的な違いは「経済圏」にあります。PayPayやSuicaは各運営会社の加盟店ネットワーク内でのみ使用できます。JPYCはブロックチェーン上で動くため、ウォレットアドレスさえあれば国内外の任意の相手に直接送金できます。
| 比較項目 | JPYC | PayPay・Suica |
|---|---|---|
| 使える範囲 | ウォレット間自由送金 | 加盟店のみ |
| 他人への送金 | 可(ウォレット宛) | 一部サービスのみ |
| 日本円への換金 | JPYC EXで1:1 | 原則不可 |
| 使えるお店の数 | 限定的(拡大中) | 圧倒的多数 |
日常の買い物では電子マネーの利便さが圧倒的です。JPYCは「自由な送金・Web3連携」という電子マネーが苦手な領域で活躍します。
JPYC vs 銀行送金|手数料とスピードの違い
銀行送金(他行宛)は1件あたり110〜880円の手数料がかかります。平日昼間中心で処理され、土日・深夜は翌営業日扱いになることもあります。海外送金はSWIFTで2,000〜5,000円が一般的です。
JPYCはPolygonチェーンを使えばガス代が数円程度、Avalancheなら0.1〜0.3円程度で送金できます。処理は24時間365日で完結し、海外送金でも国内送金と同じコスト構造です。ただし受取人もウォレットを持っている前提となるため、相手を選ぶ場面では銀行送金の手軽さが勝ります。
| 比較項目 | JPYC(Polygon) | 銀行送金 |
|---|---|---|
| 国内送金手数料 | 数円程度 | 110〜880円 |
| 海外送金手数料 | 数円程度 | 2,000〜5,000円 |
| 処理時間 | 数十秒〜数分 | 数分〜翌営業日 |
| 稼働時間 | 24時間365日 | 平日昼間中心 |
| 受取人の準備 | ウォレット必要 | 口座のみ |
海外在住の家族への仕送りや事業者間の即時決済では、JPYCを活用することで年間数万円規模のコスト削減が見込めます。
JPYC ステーブルコインの仕組みと特徴

JPYCがなぜ「安全」と言えるのかを理解するには、裏付け資産・対応チェーン・保管方式の3点を把握する必要があります。技術的な仕組みを知ることで、実際の利用時に発生するコストやリスクを正確に把握できます。
日本円預金と国債で100%裏付けされている
JPYCはフルリザーブ型のステーブルコインです。発行残高と同額の日本円預金・日本国債で100%裏付けられており、2026年4月時点の発行残高は21億円超、保有ウォレット数は13.7万超に達しています。
将来的には「日本国債8割・信託預金2割」の構成を目指すと岡部代表が公表しています。国債を主要な裏付け資産とする方針は、JPYC社の収益モデル(国債利回りによる運営)と合致しており、発行・償還を無料で提供できる根拠でもあります。
裏付け状況については第三者によるアテステーション(検証報告)が定期的に実施されており、JPYC株式会社コーポレートサイトで確認できます。
発行・償還の手数料が無料
JPYC EXでの発行・償還自体は手数料が無料です。JPYC社が国債利回りを主な収益源としているため、ユーザーへの手数料課金なしで運営を維持できる仕組みになっています。
ただし、次の費用はユーザー負担です。この点を事前に把握しておいてください。
- 日本円の銀行振込手数料(入金時)
- ウォレット間送金時のガス代(チェーンのネイティブトークン)
- 償還時のガス代(JPYCをJPYC EX指定アドレスに送る際)
発行時のガス代(JPYCをウォレットに受け取る際)はJPYC社が負担します。Polygonチェーン利用であれば送金・償還ガス代も数円程度と低コストです。
Ethereum・Polygon・Avalancheの3チェーンに対応
JPYCは3つのブロックチェーンで発行されています(マルチチェーン展開)。それぞれの特性は次のとおりです。
| チェーン | 処理速度 | ガス代の目安 | 対応サービス | 推奨用途 |
|---|---|---|---|---|
| Ethereum | 〜15秒 | 0.5〜5ドル程度 | 最多 | DeFi・NFT(ガス代許容できる場合) |
| Polygon | 数秒 | 数円程度 | 多数 | 初心者・少額送金・日常決済 |
| Avalanche | 〜2秒 | 0.1ドル程度 | 中程度 | 高速処理が必要な場面 |
2026年4月時点でPolygonが発行量の60%以上を占め、最も多く流通しています。初めてJPYCを使う場合はPolygonまたはAvalancheを選ぶと、ガス代を抑えながら取引できます。
ノンカストディ型で自分のウォレットで管理
JPYC EXは発行・償還の窓口として機能しますが、発行されたJPYC自体はユーザー自身のウォレット(MetaMask等)で保管します。これをノンカストディ型といい、取引所がJPYCを預かるのではなく、ユーザーがブロックチェーン上で直接保有する仕組みです。
ノンカストディ型の主なメリットは「JPYC社が経営上の問題を抱えても、ウォレット内のJPYCは影響を受けない」点です。ただしその反面、秘密鍵(シードフレーズ)の管理責任はユーザーに帰属します。シードフレーズを失った場合、JPYC社を含む誰にも資産の復旧はできません。
USDT・USDC・GYENとの違いを比較
主要なステーブルコイン4種類を比較します。
| 比較項目 | JPYC | USDT | USDC | GYEN |
|---|---|---|---|---|
| 発行体 | JPYC株式会社 | Tether社 | Circle社 | GMOトラスト |
| 連動通貨 | 日本円 | 米ドル | 米ドル | 日本円 |
| 国内取扱 | JPYC EX | なし | SBI VCトレード | 海外取引所中心 |
| 裏付け方式 | フルリザーブ | 一部資産混在 | フルリザーブ | フルリザーブ |
| 法的区分(日本) | 電子決済手段 | 対象外 | 電子決済手段 | 非対応 |
日本在住者が国内の法的保護のもとで使える日本円ステーブルコインとしては、JPYCが現状で唯一の候補です。
JPYCのメリット

JPYCのメリットは「値動きのない円建てデジタル通貨でありながら、ブロックチェーンの速度・コスト・透明性を利用できる」点に集約されます。個人の送金から法人の経理、DeFi運用まで、用途に応じた具体的な価値があります。
価格が日本円と連動するから値動きの心配がない
1JPYC=1円で固定されているため、保有中に資産価値が目減りするリスクがありません。暗号資産のように「翌朝起きたら価値が半分になっていた」という状況が発生しない構造です。
個人にとっては、ブロックチェーン取引を価格変動リスクなしで体験できる入口になります。事業者にとっては、請求書の額面通りに着金するため、為替差損益の管理が不要です。海外取引が多い法人では、この特性がオペレーションの簡素化につながります。
銀行送金より速く手数料も安い
銀行送金(他行宛)は110〜880円、SWIFT海外送金は2,000〜5,000円が標準的な手数料です。JPYCをPolygonチェーンで送金した場合、ガス代は数円程度で完結します。
処理速度も大きく異なります。銀行送金は平日昼間で数時間、土日は翌営業日になることがあります。JPYCは数十秒〜数分で完了します。海外への仕送りや事業者間決済で毎月送金している方は、年間コストで5万〜10万円以上の差が生じることもあります。
24時間365日いつでも送金できる
ブロックチェーンは銀行の営業時間や休業日に縛られません。JPYCは土日・祝日・深夜でも同じ速度・コストで送金できます。
特に効果が高いシーンは次の3つです。深夜に発生した緊急の事業者間決済、土日に締め切りが重なる国際取引、年末年始の個人間送金。いずれも銀行送金では翌営業日対応を強いられますが、JPYCなら即時処理が可能です。
DeFiで運用して金利を得られる
DeFi(分散型金融)プロトコルにJPYCを預けることで、レンディング利回りを得られます。Morpho・Secured Finance・Uniswapなどのプロトコルが代表的な運用先です。
利回り水準は時期によって変動するため、具体的な数値の断定は避けますが、銀行預金の普通預金金利を上回る水準が得られることもあります。ただし、スマートコントラクトのバグ・ハッキング・プロトコル破綻のリスクは銀行預金にはない種類のリスクです。得られた利回りは雑所得として申告が必要な点も覚えておいてください。DeFi運用の詳細は後述のセクションで解説します。
ブロックチェーン上で取引履歴が透明に残る
JPYCのすべての送金履歴はブロックチェーン上に記録され、誰でも検証できます。改ざんが構造的に不可能であるため、内部統制や監査対応の証跡として機能します。
透明性によるメリットは3点あります。個人では不正送金・二重払いの防止、法人では監査対応の効率化、税務では取引履歴の自動記録による申告作業の簡素化です。紙や表計算ソフトによる手作業の証跡管理を置き換えられる点が、法人導入の場面で評価されています。
JPYCのデメリット・リスク

JPYCには実用上の制約とリスクが存在します。使い始める前にデメリットを把握し、対処法を理解しておくことで、トラブルを未然に防げます。
使えるサービスがまだ限定的
2026年4月時点では、JPYCを直接受け付けている店舗・サービスはまだ限られています。直接決済対応の例としては、京都のKryptoKyoto、田町の芝浦田町スポーツ整骨院などが挙げられます。
nudgeカード経由でVISA加盟店全般での利用は可能ですが、これは間接的な仕組みです。当面は「必要な時に発行→使う→余りは償還」という運用が現実的な使い方です。対応サービスは急速に拡大中であり、後述の「JPYCの将来性」で詳しく解説します。
秘密鍵を失うと資産を取り戻せない
ノンカストディ型のため、ウォレットのシードフレーズ(秘密鍵の復元に使う12〜24語の英単語)を失うと、保有JPYCを永久に取り戻せません。JPYC社を含む誰にも復旧手段はなく、これはブロックチェーンの構造的な特性です。
秘密鍵管理の鉄則は3つです。
- シードフレーズは紙に書いて複数箇所に物理保管する(スクリーンショット・クラウド保存は厳禁)
- フィッシングサイトでは絶対に入力しない(JPYC公式は秘密鍵を求めない)
- 他人には絶対に教えない(家族・サポートを名乗る相手も含む)
ガス代の負担が発生する場合がある
発行時のガス代はJPYC社が負担しますが、ウォレット間の送金と償還時はユーザー負担です。各チェーンのネイティブトークン(Ethereum→ETH、Polygon→POL、Avalanche→AVAX)を事前に少量用意しておく必要があります。
ガス代が発生する・しないタイミングを整理すると次のとおりです。
- 発生しない:JPYC EXで発行したJPYCをウォレットで受け取る時(JPYC社負担)
- 発生する:ウォレット間でJPYCを送金する時、JPYC EXで償還するためにJPYCを送付する時
Polygonチェーンを使えば数円以下のガス代で完結するため、初心者はPolygon利用を基本とし、GMOコインで少量のPOLを購入しておくと始めやすい環境が整います。
ペッグ割れリスクがゼロではない
JPYC EXでの償還では1JPYC=1円が保証されていますが、DEX等の二次流通市場では需給バランスによって一時的に1円を割る可能性があります。過去には旧JPYC Prepaid(償還不可の仕組み)で乖離事例がありました。
ペッグ割れの主な原因は3つです。①流動性が低いプールでの大口売却、②市場参加者の需給バランスの偏り、③ステーブルコイン全般に対する信用不安(外部要因)。対処法は「DEXでJPYCを取得する際は乖離率を確認し、原則はJPYC EXで直接発行する」ことです。
規制変更で仕様が変わる可能性がある
電子決済手段制度は2023年に新設されたばかりで、今後の規制改正によって運用方針が変わる可能性があります。2025年12月に公表された2026年度税制改正大綱では暗号資産の申告分離課税化が盛り込まれており、ステーブルコイン関連の税務取り扱いも将来的に変化しうる状況です。
確認すべき情報源は金融庁公式サイトと国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて」です。制度変更の際は一次情報で最新動向を確認してください。
JPYC EXとは?発行・償還できる公式プラットフォーム

JPYC EXは、JPYCを発行・償還するための公式プラットフォームです。暗号資産取引所ではなく「JPYCと日本円を1:1で交換する窓口」として機能します。2025年10月27日にサービスを開始し、24時間365日稼働しています。
JPYC EXは資金移動業登録済みの公式サービス
JPYC EXはJPYC株式会社が運営する公式の発行・償還サービスです。関東財務局長第00099号として資金移動業者登録済みで、2025年10月27日のサービス開始以来、個人・法人どちらでもアカウントを開設できます。
主な機能は3点です。①日本円の振込によるJPYCの発行、②JPYCを返却して日本円を受け取る償還、③発行・償還時のウォレットアドレス管理。チェーンはEthereum・Polygon・Avalancheの3種類から選択します。
JPYC EXと暗号資産取引所の違い
JPYC EXはJPYCの発行と償還だけを行う専用の窓口です。暗号資産取引所(Coincheck・bitFlyer等)のように複数銘柄を売買する機能はありません。
2026年4月時点で国内の主要CEX(Coincheck・bitbank・bitFlyer・SBI VCトレード・GMOコイン)はJPYCを取り扱っていません。JPYCを取得する正規ルートはJPYC EXでの発行のみです。「JPYC EXで発行→ウォレットで保管→DEXや決済で利用」という流れが基本です。
JPYC EXのコントラクトアドレスと対応チェーン
JPYCはEthereum・Polygon・Avalancheの3チェーンそれぞれに異なるコントラクトアドレス(トークンの識別情報)が割り当てられています。
コントラクトアドレスは偽トークン詐欺に悪用されやすい情報です。記事内で特定のアドレスを掲載すると、将来的に情報がずれた場合に誤誘導のリスクがあります。必ずJPYC公式サイトのFAQページから最新アドレスを確認し、MetaMaskへのカスタムトークン追加時は公式記載のアドレスのみを使用してください。
JPYC EXの審査・取引制限・問い合わせ窓口
個人アカウントは本人確認(eKYC)完了後に利用可能です。法人アカウントは代表権限を持つ者が申込するのが原則です。本人確認に必要なものは3点です。
- マイナンバーカード(個人)または登記簿謄本等(法人)
- eKYC対応スマートフォン
- マイナンバーカードの署名用電子証明書パスワード(6〜16桁)
取引制限・上限額の最新情報はJPYC EX公式サイトのFAQで確認してください。問い合わせも同サイトのフォームから受け付けています。
JPYC公式サイト・JPYC EXへの正しいアクセス方法

JPYCに関する偽サイト・フィッシング詐欺の被害が報告されています。ログイン情報やシードフレーズを入力する前に、アクセス先のURLが正規のものかどうかを必ず確認してください。以下に公式URLをまとめます。
JPYC公式サイトのURLと見分け方
JPYC公式サイトのURLは https://jpyc.jp/ です(JPYCトークンの紹介・利用シーン中心)。アクセス時のチェックポイントは3点です。
- ドメインが「jpyc.jp」であること(jpyc.com・jpyc.net 等は別サイト)
- ブラウザにSSL証明書の鍵マークが表示されていること
- SNSや検索広告からのリンクを使わず、ブックマークから直接アクセスすること
JPYC EXの公式URLとブックマーク推奨
JPYC EX公式のURLは https://jpyc.co.jp/ です(発行・償還の窓口)。ログイン情報を入力するサービスのため、フィッシング詐欺の標的になりやすい状況です。ログイン時の鉄則は3点です。
- 初回訪問時にブックマークに追加し、以後はブックマークのみ使用する
- 検索結果の広告(リスティング広告)からのアクセスは避ける
- メールやSNSのリンクからログイン画面に誘導されても、直接入力しない
JPYC株式会社のコーポレートサイトURL
JPYC株式会社のコーポレートサイトは https://corporate.jpyc.co.jp/ です。会社情報・採用情報・プレスリリース・裏付け資産の情報はこちらで確認できます。
偽サイト・フィッシング詐欺を見抜く3つのポイント
フィッシング詐欺を見抜くためのチェックポイントは次の3点です。
- ドメイン名を文字単位で確認する:「jpyc.co.jp」と「jpyc-co.jp」は別物。1文字の差が危険に直結する。
- SSL証明書の発行先を確認する:鍵マークをクリックして証明書の発行先がJPYC株式会社であることを確認。
- シードフレーズ入力を求められたら即座に離脱する:JPYC公式サービスは秘密鍵やシードフレーズを一切求めない。入力を促す画面は100%詐欺。
JPYCを使う前に準備すること

JPYCを使い始めるには4つの準備が必要です。マイナンバーカード・Web3ウォレット・ガス代用のトークン・使用チェーンの選択です。順番に進めることで、発行までの手順が迷わずに完了します。
マイナンバーカードを用意する
JPYC EXの本人確認(eKYC)はマイナンバーカードの公的個人認証方式に一本化されています。マイナンバーカードがない場合はJPYC EXに登録できないため、事前に取得が必要です。
チェックすべき項目は3点です。
- マイナンバーカードの有効期限が切れていないこと
- 署名用電子証明書のパスワード(6〜16桁の英数字)を覚えていること
- パスワードを忘れた場合は市区町村役所でのみ再設定が可能
マイナンバーカードの取得・更新はマイナンバーカード総合サイトで手続きできます。
MetaMaskなどWeb3ウォレットをインストールする
JPYCを受け取るには、ブロックチェーン対応のウォレットが必要です。初心者にはMetaMaskが対応サービスの広さで推奨されます。HashPort WalletもJPYC公式が連携しており、JPYCに特化した管理環境を求める場合に向いています。
MetaMaskのインストール手順は次の3ステップです。
- STEP1:MetaMask公式サイト(metamask.io)からブラウザ拡張機能またはスマホアプリをインストール
- STEP2:新しいウォレットを作成し、シードフレーズ(12語)を紙にメモして物理保管
- STEP3:使用するチェーン(Polygon等)をMetaMaskに追加してJPYCのカスタムトークンを登録
ガス代用の暗号資産を国内取引所で購入する
ウォレット間の送金・償還時にはチェーンのネイティブトークンが必要です。使用チェーンに応じて少量(数百円〜千円分)を購入しておくと安心です。
- Polygonを使う場合:POL(旧MATIC)をbitbankやGMOコインで購入
- Avalancheを使う場合:AVAXをSBI VCトレード等で購入
- Ethereumを使う場合:ETHをCoincheck・bitFlyer・GMOコイン等で購入
GMOコインは主要トークンの送付手数料が無料のため、ガス代用のトークン準備に適しています。
対応チェーン(Ethereum/Polygon/Avalanche)を選ぶ
チェーン選びは「使いたいサービス」「コスト許容範囲」「処理速度」の3点で判断します。
- コスト重視の初心者:Polygon(ガス代数円、流通量60%超、対応サービス多数)
- 高速処理を求める場合:Avalanche(処理2秒程度、ガス代0.1ドル程度)
- DeFi・NFT連携が目的で費用を許容できる場合:Ethereum(対応サービス最多)
発行時に選んだチェーンと異なるチェーン宛に送金すると、JPYCが失われる可能性があります。チェーンを間違えることは取り返しがつかないトラブルになるため、送金前に受取アドレスのチェーンを必ず確認してください。
JPYCの発行方法|JPYC EXでの買い方を5ステップで解説

JPYCの発行はJPYC EXで完結します。最低発行額は3,000JPYCから(出典:日経マネー)で、初回は少額でテストすることを強く推奨します。全体の流れは「アカウント登録→本人確認→ウォレット登録→銀行振込→受け取り」の5ステップです。
STEP1: JPYC EXでアカウント登録する
JPYC EX公式(jpyc.co.jp)にアクセスし、メールアドレスとパスワードを設定して仮登録します。確認メールが届いたらリンクをクリックして本登録に進みます。所要時間は3〜5分程度です。
入力する項目はメールアドレス・パスワード・利用規約への同意です。パスワードは他サービスと使い回さず、英数字・記号を含む強固なものを設定してください。
STEP2: マイナンバーカードで本人確認(eKYC)を済ませる
「LIQUID eKYC」アプリをスマートフォンにインストールし、マイナンバーカードをNFCで読み取って本人確認を実施します。署名用電子証明書のパスワード(6〜16桁の英数字)の入力が必要です。審査は通常数分〜数時間で完了します。
eKYCに必要なものは3点です。マイナンバーカード・NFC対応のスマートフォン・署名用電子証明書パスワード。パスワードを忘れている場合は市区町村役所で再設定してからアカウント登録に進んでください。
STEP3: ウォレットアドレスを登録する
JPYCを受け取るウォレットのアドレス(MetaMask等)をJPYC EXに登録します。Ethereum・Polygon・Avalancheの3チェーンから使用するチェーンを選択します。
アドレス登録時の注意点は3点です。
- ウォレットアドレスは必ずコピペで入力する(手入力は厳禁。1文字でも間違えると送金先が変わりJPYCを失う)
- 選択したチェーンのアドレスと一致しているかを再確認する
- JPYC社への送金とは別のアドレスであることを確認する
STEP4: 銀行振込で日本円を入金する
発行予約後、JPYC EX指定の銀行口座に同額の日本円を振り込みます。最低発行額は3,000JPYC(3,000円)からです。振込手数料はユーザー負担となるため、手数料無料の銀行やサービスを利用するとコストを抑えられます。
振込時の注意点は3点です。①発行予約で表示された振込先口座・金額と完全に一致させること、②振込名義人は本人確認済みの名義と一致させること、③振込後は金融機関の処理時間によって着金確認に時間がかかる場合があること。
STEP5: ウォレットでJPYCを受け取る
入金確認後、数分〜数十分で登録ウォレットにJPYCが送付されます。MetaMaskにJPYCが表示されない場合は、JPYC公式FAQの「カスタムトークン追加」手順に従ってJPYCのコントラクトアドレスを登録してください。
残高が表示されれば発行完了です。これでJPYCを送金・決済・DeFi運用に利用できる状態になります。初回は少額(3,000〜10,000円程度)でテストし、送金・償還の操作に慣れてから大きな金額を扱うことを推奨します。まずはJPYC EX公式にアクセスしてアカウント登録から始めてください。
JPYCの償還方法|日本円に戻す手順

JPYCを日本円に戻す手続き(償還)はJPYC EX上で完結します。発行と同様に「JPYC EXで予約→ウォレットから送付→銀行口座に着金」の3ステップで進みます。
JPYC EXで償還予約をする
JPYC EXにログインし、「償還」メニューから償還予約を行います。償還するJPYCの数量と出金先の銀行口座(事前登録済みのもの)を選択します。
予約完了画面に表示されるJPYC社の送金先アドレスと送付数量を必ず控えてください。この情報が次のステップで必要になります。
指定アドレスへJPYCを送付する
MetaMask等のウォレットから、JPYC EX指定のアドレスへ正確な数量のJPYCを送金します。このとき、チェーンのネイティブトークン(ETH・POL・AVAX)によるガス代がユーザー負担で発生します。
送付時の注意点は2点です。①送金先アドレスと数量はコピペで正確に入力すること、②送金後はブロックチェーン上でトランザクションが承認されるまで数十秒〜数分待つこと。送金完了後はExplorerで取引が「Success」になっているか確認してください。
登録済み出金口座に日本円が振り込まれる
トランザクション承認後、JPYC EXから登録済み銀行口座に日本円が振り込まれます。振込手数料はJPYC社負担で、償還自体に手数料はかかりません。
振込の確認手順は次のとおりです。銀行アプリまたはATMで入金を確認→金額がJPYC送付数量と一致しているか照合→不一致があればJPYC EXのサポートに連絡。
償還にかかる時間と最低償還額
通常の処理時間は10〜30分程度です。ただし、銀行の営業時間外・金融機関側のメンテナンス・送金量の集中時は、通常より時間がかかる場合があります。
遅延が起きやすいケースは3つです。①深夜〜早朝の処理(金融機関が翌営業日扱いにする場合がある)、②土日・祝日・年末年始の処理、③システムメンテナンス中の申請。最低償還額は将来的に変更される可能性があるため、JPYC EX公式FAQで最新値を確認してください。
JPYCが使える取引所10選|DEX・CEXを徹底比較

2026年4月時点で、国内の主要CEX(Coincheck・bitbank・bitFlyer・SBI VCトレード・GMOコイン)はいずれもJPYCを直接取り扱っていません。JPYCの入手は原則としてJPYC EXでの発行が正規ルートです。各取引所はガス代用トークンの準備先として活用します。DEXでは二次流通取引が可能ですが、ペッグ割れリスクへの注意が必要です。
Coincheck(コインチェック)
2026年4月時点でCoincheckはJPYCを直接取り扱っていません。今後の上場可能性は公式から発表されていない状況です。JPYC関連での活用方法は、ガス代用ETHをCoincheckで購入してMetaMaskに送付することです。
初心者向けのわかりやすいUIが特徴で、暗号資産を初めて購入する方の入口として使いやすい取引所です。
bitbank(ビットバンク)
bitbankもJPYCの直接取り扱いはありません。Polygon用ガス代として必要なPOL(旧MATIC)を取り扱っているため、PolygonチェーンでJPYCを使う方のガス代準備に活用できます。板取引が充実しており、少額でも低スプレッドで購入できます。
bitFlyer(ビットフライヤー)
bitFlyerもJPYCの直接取り扱いはありません。ETH購入によるガス代準備に活用できます。国内最長クラスのセキュリティ実績を持ち、長期運営の安心感を求める方に向いている取引所です。
SBI VCトレード
SBI VCトレードはJPYCの直接取り扱いはありませんが、JPYCと関係の深い取引所です。SBIホールディングスはJPYCに出資しており、2025年3月には国内初の電子決済手段等取引業者としてUSDCを独占取り扱い中です。AvalancheチェーンのAVAXも取り扱っており、Avalanche用ガス代の準備先としても活用できます。
GMOコイン
GMOコインもJPYCの直接取り扱いはありません。ただし、ETHとPOLの両方を取り扱い、かつ主要通貨の送付手数料が無料という特性から、ガス代用トークンの準備先として特に使いやすい取引所です。初めてガス代用トークンを購入する方にはGMOコインから始めることを推奨します。
Uniswap(DEX)
Uniswapは分散型取引所(DEX)の代表格です。Ethereumベースで、JPYCとUSDCや他のトークンを流動性プール経由で交換できます。CEXを経由せずにJPYCを入手・売却できる二次流通の場として機能します。
利用時の注意点は3点です。①MetaMask接続とETHのガス代が必要、②スリッページ(想定より不利なレートで約定すること)の設定を確認する、③DEXでの取引価格は1円から乖離することがあるため、ペッグ割れを確認してから取引する。
QuickSwap(DEX)
QuickSwapはPolygon上のDEXです。JPYCのPolygonチェーン流通が60%超を占めるため、QuickSwapでのJPYC取引機会は多くなります。ガス代がEthereumよりはるかに安く、少額の交換でもコストが無視できる水準です。MetaMaskをPolygonネットワークに切り替えて利用します。
SushiSwap(DEX)
SushiSwapはEthereum・Polygon・Avalancheすべてに対応するマルチチェーンDEXです。JPYCの流動性プールが存在するチェーンであればSushiSwapで取引できます。Uniswapと同様、スリッページとガス代の確認が必要です。
1inch(DEX)
1inchはDEXアグリゲーターです。複数のDEXから最も有利な交換レートを自動で選定するため、JPYCを他の暗号資産に交換する際のスリッページを最小化できます。機能が多く初心者にはやや難しいため、まずUniswapやQuickSwapで操作に慣れてから使うのが現実的です。
JPYCの海外取引所での取り扱い状況
2026年4月時点で、Gate.com等の一部海外取引所でJPYC(JPY Coin)が取り扱われています。ただし表示価格は二次流通市場の価格であり、1JPYC=1円から乖離することがあります。
海外取引所でJPYCを取得することは基本的に推奨しません。理由は3点です。①価格乖離リスク、②海外取引所利用に伴う外国為替リスク、③税務申告の複雑化。JPYCの取得はJPYC EXでの発行を基本としてください。
JPYCの使い道・どこで使える?7つの活用シーン

JPYCの活用シーンは個人の送金から法人の国際決済まで6つに整理できます。「発行したが使い道がわからない」という状況を避けるため、目的に合ったシーンを先に確認してから発行することを推奨します。
個人間送金でPayPay代わりに使う
友人・家族へのちょっとした送金にJPYCが使えます。割り勘の精算・お小遣いの送金・海外在住の家族への仕送りなど、相手のウォレットアドレスさえあれば数十秒で完了します。
特に効果が大きいのは海外送金です。米国留学中の子供にJPYCで送金→子供がUSDCに交換して現地で使う、というユースケースでは銀行送金の数千円の手数料がガス代数円に圧縮されます(出典:日経マネー)。受取人もウォレットを用意する必要があるため、相手と事前に準備を合わせることが前提条件です。
nudgeカードでVISA加盟店の実店舗で支払う
ナッジ株式会社が発行するnudgeカードでは、クレジットカードの利用額の返済をJPYCで行えます。2025年10月から国内初のステーブルコインによるクレジットカード返済として開始されており、これによりVISA加盟店全般(コンビニ・スーパー・オンラインショッピング等)でJPYCを実質的に使えます。
nudgeカードの利用フローは3ステップです。①ナッジ公式サイトでnudgeカードを発行・設定する、②VISA加盟店で通常のクレジットカードとして利用する、③月次の請求をJPYCで返済する。
クレジットカード決済で使う
nudgeカード以外にも、JPYC決済に対応したサービスの拡大が進んでいます。三井住友カードとの実証実験では、マイナンバーカードを活用したJPYCタッチ決済の実現が発表されています。また、りそなホールディングス・JCB・デジタルガレージの3社が2025年度中に個人向け決済サービスの実証実験を開始し、2027年度の実用化を目標としています。
現時点での主要な活用事例は3つです。①nudgeカードによるVISA加盟店決済、②JPYC専用ECショップ「JPYC for Shop」での直接購入(手数料1%、購入者のガス代不要)、③対応実店舗での直接決済(京都KryptoKyoto等)。
DeFiでレンディング・ステーキングして金利を得る
DeFiプロトコルにJPYCを預けて利回りを得られます。代表的なプロトコルはMorpho・Secured Financeです。得られた利回りは雑所得として総合課税の対象になるため、確定申告の対象になることを念頭に置いてください。
DeFi運用の主なリスクは3点です。①スマートコントラクトのバグ・ハッキングによる資産喪失、②流動性不足による出金困難、③プロトコル破綻による元本毀損。銀行預金にはないリスクであるため、余剰資金の一部で試すことから始めてください。
NFT・Web3サービスの購入代金にあてる
JPYCはWeb3サービスとの親和性が高く、NFT購入やデジタルコンテンツの決済に活用できます。JPYC専用ECショップ「JPYC for Shop」では購入者のガス代が不要で、JPYCを直接使ってデジタル商品を購入できます。
LINE NEXTとの協業では、LINEアプリ上でのJPYCウォレット利用も検討されています(2026年1月MOU締結)。LINEの国内ユーザー基盤を通じた普及が実現すれば、Web3サービスでのJPYC利用がより身近になります。
法人の請求書払い・国際送金に活用する
法人間決済でJPYCを使うと、銀行送金より低コスト・即時処理が可能です。アステリア株式会社(東証プライム上場)が「JPYCアダプター」を開発中で(2026年2月資本提携)、10,000社超の「ASTERIA Warp」導入実績を活用したJPYC普及が進んでいます。
TIS株式会社の「ステーブルコイン決済支援サービス」(2026年秋以降正式提供予定)でも法人向けJPYC決済が利用可能になる見込みです。法人導入を検討する際は、まずJPYC EXの法人アカウント開設から始めてください。
JPYC決済導入店で利用可能
JPYCは、JPYC決済に対応している店舗やサービスで支払いに利用できます。
暗号資産のように価格変動を気にしながら使うのではなく、日本円に連動したステーブルコインとして扱えるため、日常の買い物やサービス利用にも取り入れやすいのが特徴です。
導入店では、店頭の案内や決済画面に従ってウォレットからJPYCを送付することで支払いが完了します。現金やクレジットカードとは異なる新しい決済手段として、Web3に関心のあるユーザーとの接点づくりにも役立ちます。
対応店舗は今後も広がっていく可能性があるため、近くで使える場所を探したい場合は、使える場所マップはこちらから確認してみてください。
JPYCで儲かる?投資視点で見る将来性と金利の現実

「JPYCで儲かるか?」という疑問への回答は明確です。JPYC自体の値上がり益はゼロです。一方、DeFiを通じた利回り獲得とJPYC関連銘柄(上場株)への投資という2つの経路があります。それぞれのリスクと現実を正確に理解したうえで判断してください。
JPYC自体には値上がり益が発生しない
1JPYC=1円で固定される仕組み上、長期保有しても評価額は1円から変わりません。ビットコインのように「安く買って高く売る」ことは基本的にできません。
JPYCで「値上がり益が得られない理由」は3点に整理できます。①フルリザーブ型で1:1の償還を保証している、②JPYC EXが常に1円で発行・償還するため裁定機会がほぼない、③ステーブルコインの目的そのものが価格安定である。「投資ではなく決済・送金のツール」という位置づけを再確認したうえで使用してください。
ステーキング・レンディングで金利を得る方法
DeFiプロトコル(Morpho・Secured Finance等)でJPYCをレンディングすると、貸出金利として利回りを得られます。銀行の普通預金金利を上回る水準が期待できることもありますが、利回りは時期・プロトコルによって大きく変動します。具体的な数値は時期によって異なるため、各プロトコルの公式情報で確認してください。
DeFi運用特有のリスクも存在します。①スマートコントラクトのバグ・ハッキングによる資産喪失、②流動性が低下した際の出金困難、③得られた利回りが雑所得として最大55%の総合課税対象になること。銀行預金と同等のリスクプロファイルではないため、余剰資金の範囲での少額から始めることを推奨します。
JPYC株式会社は未上場でIPO構想を発表
JPYC株式会社は2026年4月時点で未上場です。株式は一般公開されておらず、「JPYC株式会社の株を購入して利益を得たい」という需要には現状応えられません。
IPO(新規上場)の構想については公表されていますが、時期・条件は未確定です。最新情報はJPYC株式会社コーポレートサイトで確認してください。
JPYC関連銘柄として注目される上場企業
JPYC株式会社に出資・提携している上場企業は「JPYC関連銘柄」として市場で注目されることがあります。主な関連銘柄を次の表にまとめます。
| 銘柄コード | 社名 | JPYCとの関係性 |
|---|---|---|
| 3853 | アステリア株式会社 | 2026年2月 資本業務提携・JPYCアダプター開発中 |
| 3350 | 株式会社メタプラネット | シリーズB 2ndクローズ参加(出資者) |
| 8473 | SBIホールディングス株式会社 | JPYC出資者・SBI VCトレードがUSDC取扱中 |
| 8524 | 北洋銀行 | シリーズB 2ndクローズ参加(出資者) |
| 3630 | 電算システム株式会社 | 出資者 |
これらの銘柄はJPYCの動向に影響を受ける可能性がありますが、「関連銘柄だから上昇する」とは限りません。株式投資の判断は自己責任で行い、最新の有価証券報告書・適時開示情報を確認してください。
JPYCのチャート・価格推移を確認する方法

「JPYCの価格チャートを確認したい」という需要はありますが、JPYC EXで発行された現行JPYCの価格は常に1円です。チャートを見て売買タイミングを計る性質のものではありません。一方、旧JPYC PrepaidはCoinMarketCap等でチャートが存在します。この2つの区別が重要です。
CoinMarketCapでJPYC Prepaidの価格を見る
CoinMarketCapには「JPYC Prepaid」(ティッカー:JPYC)の価格チャートが表示されています。これは旧JPYC Prepaid(前払式支払手段)の二次流通市場価格であり、現行JPYC(電子決済手段)とは別物です。
CoinMarketCapのチャートが1円ぴったりでない場合があるのは、旧JPYC Prepaidが償還不可の仕組みだったため、二次流通市場の需給で価格が動いてきた経緯があるためです。現行JPYCのチャートとして読み取ることは誤りです。
JPYC EX発行版の価格は常に1円
JPYC EXで発行・償還される現行JPYCは、フルリザーブの裏付けと償還保証によって1JPYC=1円で固定されています。価格変動を期待してチャートを監視する意味はありません。
見逃せない指標は価格ではなく、累計発行残高・保有ウォレット数・月次成長率の3点です。2026年4月時点で発行残高は21億円超、保有ウォレット数は13.7万超、月次平均成長率は69%(出典:JPYC社プレスリリース2026年2月)。これらの指標がJPYCの普及状況を示す実質的なデータです。
過去のペッグ乖離があった時期と原因
旧JPYC Prepaid時代には、二次流通市場で1円を上下に外れる場面がありました。主な原因は3点です。①償還不可の仕組みにより理論価値が1円である根拠が弱かった、②流動性の低い市場での大口売却、③市場参加者の需給バランスの偏り。
現行JPYCはJPYC EXでの償還が可能なため、1円を大きく外れた場合に裁定機会が生まれ、価格が自然に1円に収束しやすい構造です。ただしDEX等の二次流通市場では流動性次第で短時間の乖離が起こる可能性は残っています。
JPYCの将来性|銀行連携・Web3で広がる経済圏

JPYCの事業展開は2026年4月現在、急速に加速しています。ソニー銀行・LINE NEXT・アステリア・TIS・りそなグループとの提携が相次いで発表されており、日常の決済から法人の基幹システムまで、JPYCが使われる環境が着実に整備されています。
3年で10兆円規模を目指す市場拡大計画
JPYC株式会社は3年で10兆円規模の市場拡大を目指しています(出典:Reuters「World’s first yen-pegged stablecoin debuts in Japan」2025年10月27日)。2026年4月時点の発行残高21億円からの大規模な拡大計画です。
月次平均成長率は69%を記録(出典:JPYC社プレスリリース2026年2月)しており、発行残高・保有ウォレット数ともに着実な増加基調が続いています。10兆円という目標は現状との乖離が大きいですが、提携先企業の顧客基盤(ソニー銀行・LINE・ASTERIA Warp導入10,000社超)が加わることで、普及速度が変わる可能性があります。
住友生命・SBI・ソニー銀行など大手の出資・連携
2026年4月時点でのJPYC主要パートナー・出資者は次のとおりです。
| 企業名 | 提携・出資の概要 |
|---|---|
| 住友生命 | シリーズBラウンドで出資 |
| SBIホールディングス | JPYC出資者・SBI VCはUSDC独占取扱中 |
| ソニー銀行 | 2026年3月2日 戦略的業務提携MOU締結・子会社BlockBloomが主導 |
| アステリア株式会社 | 2026年2月4日 資本業務提携・JPYCアダプター開発中 |
| メタプラネット | シリーズB 2ndクローズ参加 |
| 北洋銀行 | シリーズB 2ndクローズ参加 |
| LINE NEXT | 2026年1月 MOU締結・LINEアプリ上でのJPYCウォレット利用を検討 |
| TIS株式会社 | ステーブルコイン決済支援サービス(2026年秋以降提供予定)で提携 |
大手金融機関・IT企業のネットワークがJPYCの普及基盤として機能する体制が整いつつあります。
ソニー銀行口座から直接JPYCを購入できる構想
2026年3月2日のソニー銀行とJPYCのMOU締結では、ソニー銀行口座からJPYC EX上で直接JPYCをチャージ購入できる「リアルタイム口座振替機能」の開発が検討されています。
この機能が実現すれば、現在の「銀行振込手続き」が不要になり、JPYC EX上の操作だけでJPYCの発行が完結します。音楽・ゲームなどのソニーグループのエンタメIPとの連携(ライブチケット購入・デジタルコンテンツ決済)も視野に入れています。提供時期は未公表で、「特定金融機関に閉じない中立的な作り」のため他行への展開可能性もあります。
シリーズB 28億円追加調達のインパクト
2026年4月20日に発表されたシリーズB 2ndクローズでは28億円を追加調達し、累計46億円規模に到達しました。資金の主な用途は4区分です。
- システム・アプリの開発強化
- 事業開発人材の採用
- 発行・償還・取引・決済・管理事業の拡充
- 新たな成長機会への戦略的投資
累計発行残高21億円・保有ウォレット13.7万を支える基盤強化に充当される見込みです。46億円という資金調達規模は、国内の電子決済手段型ステーブルコイン事業者として異例の水準で、普及加速に向けた投資余力を示しています。
クレカ決済・実店舗対応の拡大ロードマップ
決済インフラとしてのJPYC拡大は複数の経路で同時進行しています。主要な案件は次の5つです。
- nudgeカード:VISA加盟店全般での実質的なJPYC利用(稼働中)
- 三井住友カードとの実証実験:マイナンバーカードによるJPYCタッチ決済(iPhone対応も検討)
- りそなHD・JCB・デジタルガレージ:渋谷での実証実験を2025年度中開始、2027年度実用化目標
- TIS「ステーブルコイン決済支援サービス」:2026年秋以降の正式提供開始を目指す
- 東京都:円建てステーブルコイン活用補助制度(最大4,000万円)を開始
2027〜2028年にかけて、日常の実店舗でJPYCが直接使える環境が整う可能性があります。
JPYCの税金・確定申告について

JPYCの税務取り扱いは暗号資産とは異なります。電子決済手段である現行JPYCは、基本的に日本円と同等の処理が可能ですが、他の暗号資産との交換やDeFi運用の利回りには課税関係が生じます。この記事は税理士による個別アドバイスではないため、最終判断は専門家に相談してください。
JPYCの発行・償還は課税対象外
JPYCは「電子決済手段」であり、JPYC EXで日本円を1:1でJPYCに交換する発行取引と、JPYCを日本円に戻す償還取引は基本的に課税対象外です。クリプタクトの解説では「電子決済手段であるJPYCは会計において現金同等の処理を行うことができる」と整理されています(出典:クリプタクト)。
ただし、次のケースは雑所得の計算が必要になる可能性があります。
- Web3サービスでJPYCを使って暗号資産を売買した場合
- キャンペーン・エアドロップでJPYCを取得した場合
- DeFiのレンディング利回りとしてJPYCを受け取った場合
他の暗号資産に交換した時点で課税される
JPYCをETH・BTC等の暗号資産と交換した場合、交換時点での評価額に基づき雑所得が発生する可能性があります。暗号資産→JPYC・JPYC→暗号資産のいずれの方向の交換も課税対象です。
課税が発生する取引パターンは3つです。①JPYCをETH等の暗号資産に交換する、②暗号資産をJPYCに交換する、③DeFiでJPYCを流動性プールに預けてリワードとして暗号資産を受け取る。確定申告の際はクリプタクト等の損益計算ツールの活用を推奨します。詳細は国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて」で確認してください。
確定申告が必要になる利益の基準額
給与所得者の場合、雑所得の年間合計が20万円を超えると確定申告が必要です。個人事業主・扶養家族は基礎控除を超える雑所得があれば申告対象になります。
DeFiの利回り・DEXでの取引益・キャンペーンでの取得はいずれも雑所得として合算されます。複数の取引が積み重なると20万円を超えやすいため、取引履歴を記録する習慣をつけてください。
会計処理で気をつけたい仕訳のポイント
法人でJPYCを利用する場合、電子決済手段として現金同等処理が可能です。ただし取引の性質によって仕訳が異なるため、担当の税理士・会計士と処理方針を事前に確認することを推奨します。
注意すべきポイントは3点です。①発行・償還は現金換算処理が基本だが、暗号資産との交換は別途計算が必要、②ブロックチェーン上の取引履歴を証跡として保存すること(改ざん不可の記録として有効)、③2025年12月公表の税制改正大綱では暗号資産の申告分離課税化が検討されており、今後の制度変更に注意が必要。
JPYCを使う前にやってはいけないこと

JPYCに関連するトラブルのほとんどは、事前の確認不足から生じます。特に「送金先を間違える」「偽サイトにアクセスする」「シードフレーズを失う」は取り返しのつかない結果につながります。始める前に必ず確認してください。
偽サイトのURLからアクセスしない
JPYC関連の偽サイトは検索広告・SNS経由で誘導されます。正規のURLはjpyc.jp(公式)・jpyc.co.jp(JPYC EX)・corporate.jpyc.co.jp(コーポレート)の3つです。一文字でも異なるドメインは偽サイトの可能性があります。初回アクセス時にブックマークに登録し、以後はブックマークのみを使用してください。
少額テストせずに大金を発行しない
最初から大きな金額でJPYCを発行するのは危険です。ウォレットアドレスの入力ミス・チェーン選択の誤り・MetaMaskへのトークン追加失敗など、初回特有のつまずきが多くあります。まず3,000〜10,000円の少額で全ての操作(発行→送金→償還)を一通り体験し、問題なく完了してから大きな金額を扱ってください。
シードフレーズを誰にも共有しない
シードフレーズ(ウォレット復元用の12〜24語の英単語)は絶対に他人に教えてはいけません。家族・JPYC社サポート・取引所サポートを名乗る相手も含め、シードフレーズを求めてくる相手は全員詐欺師と判断してください。正規のサポートはシードフレーズを求めません。
対応チェーンを間違えて送金しない
Ethereumアドレス宛にPolygonチェーンでJPYCを送金する、または逆のパターンはJPYCを失うリスクがあります。送金前に「送信元チェーン」「受取アドレスのチェーン」「受取ウォレットが対応しているチェーン」の3点が一致しているかを確認してから実行してください。
償還方法を確認せずに発行しない
「発行したはいいが日本円に戻せない」という状況を防ぐため、発行前に償還手順をJPYC EX公式FAQで確認してください。特に確認すべき事項は3点です。①最低償還額(発行と同様に下限が設定されている)、②償還時にガス代が必要なこと(ネイティブトークンの準備が必要)、③出金先銀行口座の事前登録が必要なこと。
JPYCが向いている人・まだ使わなくていい人

JPYCは全員に即座に必要なものではありません。現時点での使い道・技術的な準備・リスク許容度によって、今すぐ使うべきかどうかは人によって異なります。以下の基準を参考にしてください。
JPYCを今すぐ使うべき人の特徴
次の条件に当てはまる方はJPYCを使い始める価値があります。
- 海外に在住している家族・知人への送金が定期的にある
- DeFiやNFTなどのWeb3サービスをすでに利用しており、日本円での資産管理を望んでいる
- ブロックチェーン技術を実際に体験したいが価格変動リスクは取りたくない
- 国際的な事業者間決済で手数料と処理速度を改善したい法人
もう少し様子見でいい人の特徴
次の条件に当てはまる方は、もう少し対応サービスが拡大してから使い始めても問題ありません。
- 国内の日常決済だけで十分で、銀行送金・PayPayで不便を感じていない
- ウォレットの管理・ガス代の準備といった技術的な手順に不安がある
- 使いたい特定のサービスが現時点でJPYCに対応していない
2027年以降に実店舗対応・銀行口座との直接連携が実現すれば、現在より大幅に使いやすい環境になる予定です。
法人で導入を検討すべき企業の条件
法人でJPYCを導入する価値が高い企業の条件は3点です。①海外サプライヤーへの定期的な送金があり、SWIFTコストを削減したい、②ブロックチェーン上の取引履歴による監査証跡の強化を求めている、③Web3事業・NFTビジネスでの決済インフラとして自社決済システムに組み込みたい。これらに当てはまる場合は、JPYC EXの法人アカウント開設から着手してください。
法人がJPYCを導入する方法|企業決済への活用

法人でのJPYC導入は個人と同じJPYC EXを通じて行います。ただし大口発行・API連携・既存システムとの統合には、個人利用とは異なる手順と検討事項があります。
法人口座の開設と大口発行の流れ
JPYC EXの法人アカウント開設は、代表権限を持つ者が申込します。必要書類は法人登記簿謄本・代表者の本人確認書類・事業の概要説明が基本です。
大口発行(高額な発行)の場合、個人口座とは異なる取引上限・審査プロセスが設けられています。詳細はJPYC EX公式のFAQと問い合わせフォームで確認してください。
JPYC Gatewayで既存システムと連携する
JPYC GatewayはJPYCの発行・送金・償還を既存の業務システムと接続するための連携基盤です。ASTERIA Warpを通じたアステリア株式会社との連携(JPYCアダプター)や、TISのステーブルコイン決済支援サービスも、法人向けの既存システム統合手段として活用できる見込みです。
API連携で経理業務を自動化する
JPYC EXのAPIを利用することで、発行・送金・償還の処理を経理システムと自動連携できます。請求書の支払い処理・仕入れ先への送金・給与の一部JPYC払いなど、繰り返しの処理を自動化することで経理工数の削減が見込めます。API連携の詳細な仕様はJPYC EX公式の開発者ドキュメントを参照してください。
監査対応とブロックチェーン上の取引履歴
ブロックチェーン上に記録されるJPYCの取引履歴は、改ざんが構造的に不可能です。この特性は内部統制・監査対応において強力な証跡として機能します。外部監査法人への取引証跡の提出、税務調査時の取引記録の提示、不正送金の追跡調査などに活用できます。ブロックチェーン上の取引はExplorerで誰でも確認できるため、透明性の高い経営情報の開示にも寄与します。
JPYCに関するよくある質問

JPYCについてよく寄せられる6つの疑問に回答します。記事を読んでもまだ疑問が残っている場合は、JPYC EX公式FAQと公式問い合わせフォームを利用してください。
- QJPYCの何がそんなにすごいのですか?
- A
JPYCの最大の特徴は「日本円の価値を保ちながらブロックチェーン上で自由に送金できる」点です。電子マネーは加盟店内でしか使えませんが、JPYCはウォレット間で直接送金でき、24時間365日、ガス代数円で国際送金も完結します。日本初の電子決済手段型ステーブルコインとして法的に裏付けられており、日本円に1:1で償還できる点が他の暗号資産にはない特徴です。
- QJPYCを日本円に戻す方法はありますか?
- A
あります。JPYC EX(jpyc.co.jp)で償還予約を行い、指定アドレスにJPYCを送付すると、登録済みの銀行口座に日本円が振り込まれます。発行・償還の手数料は無料(送付時のガス代はユーザー負担)で、通常10〜30分程度で着金します。最低償還額はJPYC EX公式FAQで最新値を確認してください。
- QJPYCの裏付け資産は何ですか?
- A
日本円預金と日本国債で発行残高の100%が裏付けられています(フルリザーブ型)。将来的には「日本国債8割・信託預金2割」の構成を目指すとJPYC社が公表しています。裏付け状況は第三者によるアテステーション(検証報告)が定期的に実施されており、JPYC株式会社コーポレートサイトで確認できます。
- QJPYCの手数料はいくらですか?
- A
JPYC EXでの発行・償還は手数料無料です。ただし、日本円の銀行振込手数料(入金時)と、ウォレット間送金・償還時のブロックチェーンガス代(チェーンのネイティブトークンで支払う)はユーザー負担です。Polygonチェーン利用の場合、ガス代は数円程度で収まります。
- QJPYCはどこで買えますか?
- A
JPYCの入手は原則としてJPYC EX(jpyc.co.jp)での発行が正規ルートです。2026年4月時点で国内の主要CEX(Coincheck・bitbank・bitFlyer・SBI VCトレード・GMOコイン)はJPYCを取り扱っていません。海外取引所(Gate.com等)では二次流通価格での取引が可能ですが、ペッグ乖離リスクがあるためJPYC EXでの発行を推奨します。
- QJPYC株式会社は怪しい会社ではないですか?
- A
怪しい会社ではありません。JPYC株式会社は2025年8月に金融庁より資金移動業者として正式に登録(関東財務局長第00099号)されており、金融庁の登録一覧で確認できます。シリーズBで累計46億円を調達し、住友生命・SBIホールディングス・ソニー銀行・アステリア等の大手企業が出資・連携しています。
まとめ|JPYCは投資ではなく「使うため」のステーブルコイン
JPYCは日本円と1:1で連動する国産ステーブルコインで、2025年10月27日にJPYC株式会社が発行を開始した日本初の電子決済手段型ステーブルコインです。ビットコインのような値上がり益は基本的に発生せず、「決済・送金・Web3サービスで使うためのデジタル円」という位置づけです。
銀行送金と比べてガス代は数円、処理は24時間365日。海外送金では特にコスト削減効果が大きく、DeFiを通じた利回り獲得も可能です。ただし秘密鍵の管理責任はユーザーにあり、対応サービスはまだ拡大中という現実も把握しておく必要があります。
ソニー銀行・LINE NEXT・アステリア・TIS・りそなグループとの提携が相次いでおり、2027年以降の実店舗対応・銀行口座直結での発行実現が見込まれます。月次成長率69%で拡大中の発行残高と保有ウォレット数は、普及が着実に進んでいることを示しています。
JPYCを始めるには、まずマイナンバーカードとMetaMaskを準備し、JPYC EX(jpyc.co.jp)でアカウントを開設してください。初回は3,000〜10,000円の少額でテストし、発行・送金・償還の操作に慣れてから活用範囲を広げることを推奨します。JPYC EX公式サイトのURLを今すぐブックマークに追加してから始めてください。

